石徹白暮らし体験談 上村晶子さん - 第六号:2011年2月
今回お話をうかがったのは、石徹白に住みはじめて17年、子供4人を石徹白で育てあげた上村晶子さん(あっこさん)です。名古屋で知り合った石徹白出身のだんなさんと結婚され、27歳のときに石徹白に移住。今は子育ても落ち着いて、「石徹白人くくりひめの会」のメンバーとしても活躍されています!
(写真注:左側があっこさん)
石徹白での出産
―――石徹白で4人の子供さんを育てたのですよね?
そう、今3人は外に出とるけどね。22歳の長女、20歳の長男、19歳の次男、17歳の次女。上の3人は名古屋に住んどるときに生まれたんやけどね、最後の子は石徹白のうちで産まれたの。
―――えっ?自宅出産・・・?
今はもう少ないけどね。でも、別にうちで産むつもりはなかったんやけど(笑)
予定日がちょうど稲刈りの日で、その日の晩に生まれたの。だんながとりあげてくれて、診療所の看護婦さんに来てもらって。
―――す、すごい!だんなさんが看護師さんだから心強いですね。
まあ、お母さんらはみんな自宅で産んでるからね、慣れてるもんやね。
―――石徹白に引っ越しされてきて、子供がすでに3人いたんやったら、みなさんに喜ばれたんじゃないですか?
そうそう、石徹白に子供が4人、突然増えたからね。保育所に子供が入るとき、歓迎会をしてもらって、すごいうれしかったよ。だから、もし石徹白に来てくれる人がいたら、歓迎会をしてあげたいな。近くなれるきっかけになるからね。
毎日、白鳥まで出勤
―――お仕事は白鳥でされているんですよね?
そう、今は白鳥の個人病院で看護師をやってます。だいたい週5日、2日お休みで夜勤もあるよ。
―――毎日石徹白から白鳥に車で通うのって大変じゃないですか?特に冬の雪道とか。
峠道は怖いときもあるけど、運転自体は好きだからね。
名古屋にいるときは免許をもっていなくて、こっちに来ることになってから免許をとったの。だから、運転をはじめた最初から峠道を走ってるから慣れたよ。
石徹白独特の食文化
―――そうなんですね。やっぱり慣れるしかないですね・・・。お買い物は、白鳥でするんですか?
そうやね。白鳥まで行けばなんでもある。前はね、結構(福井県の)大野まで行っていたよ。大野のほうが近いからね。そこで石徹白の人によく出会ったよ。
―――大野まで行くと、白鳥とまた違うものが買えるんですか?
そうそう、魚が多いね。大野の焼きサバはおいしい。祭のときなんか、石徹白のなかで大野の焼きサバを売ってるお店もあったよ。日本海の文化だね。
―――岐阜のほうにはない食べ物とか、いろいろありますよね。
今まで食べたことのないもの、肉漬けとか、にしんずしとか、おいしいね。最初、すしを焼くって聞いて信じられなかったね。今では普通だけど。
―――冬の石徹白の食べ物、私も大好きです。
おかずつくらんでも、白いごはんさえあれば、いいもんね(笑)
石徹白に住みたい人へ
―――これから石徹白に住みたいという人にアドバイスとかコメントとかありますか?
うーん、逆に、なんで石徹白に住みたいんかなぁって思ってしまう。雪も大変やし。子供も、高校くらいからは下宿しなくちゃならない。私自身は、高校までは自宅から通っていたから、やっぱりちょっと感覚が違うかんじがする。
―――確かに、通える高校も限られてくるし、町のようにはいかないですよね・・・。単なる憧れとか、勢いで石徹白に来ても、確かに大変かもしれない・・・。雪下ろしもあるし・・・。
でも、そういうのを分かった上で石徹白に住みたいんだったら、もちろんウェルカム!人がやさしいし、自然環境もとてもいいし、山が好きとかスキーがしたいとかあったら、すごくいいところだと思う。
実は私はまだ銚子ヶ峰まで登ったことなくて。。。いつも大杉止まり・・・せっかくだからいつかは登りたいって思っとるよ(苦笑)
今回のインタビューでは、あっこさんの石徹白に17年住んでいるからこその本音の部分も教えてもらえたように思います。今年初めて、雪降ろしを経験して石徹白の冬の雪の怖さも分かってきた私としては、石徹白のすてきなところも厳しいところも理解して、それを認めた上で石徹白に住むことは、本当に大事なことだと改めて感じました。
あっこさん、いろいろなお話をありがとうございました!
聞き手:平野馨生里